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この『星功通信』では、オーナー様・管理組合様が抱える不安を解消し、安心して計画を進めていただける情報をお届けします🌸
【建物調査診断】とは?大規模修繕工事の事前調査について
大規模修繕工事を計画する際に事前に行われることが多い【建物調査診断】ですが、これは工事のタイミングの決定や長期的な修繕計画の見直しにも活用できます。では、建物調査診断では具体的にどのような調査が行われるのでしょうか。
マンションの建物調査診断が必要な3つの理由
建物調査診断の主な目的はこちら
《建物の現状を把握し、工事内容に活かすため》
大規模修繕工事では、共用部を中心に外壁や屋上など、建物全体の補修工事を行います。そのため、事前に建物に発生している劣化症状など専門家の視点でしっかりチェックすることで、建物の状態を把握し 無駄なく 修繕工事内容を組み立てることが可能になります。
修繕積立金はマンションを維持管理していくための大切な資金ですので、最大限の効果を得られるよう大切に使用しましょう。
《大規模修繕工事の時期を判断するため》
多くのマンションでは、工事が始まる1年~1年半位前になると建物診断が実施されます。そのまま長期修繕計画書通りのタイミングで大規模修繕工事を実施する場合もありますが、中には建物診断の結果を受けて、改めて工事の実施時期を再考するマンションもあります。
また、ビル・賃貸マンションでは、そもそも長期修繕計画が作成されていない場合もあります。こうした場合には修繕の時期を判断するだけでなく、コンクリートの状態から建物の寿命を予測し、修繕して使用し続けるのか、建て替えるのかなど、資産管理の方向性を決定するための判断材料としても活用されます。
《長期修繕計画の見直しのため》
長期修繕計画は、25年や30年といった長期間にわたり、今後の修繕工事の内容、時期、費用などをあらかじめ想定して計画されるものです。分譲マンションでは、この計画書をもとに資金計画を検討し、各居住者(区分所有者)が支払う月々の修繕積立金の金額を決定します。
ただし、実際の建物の劣化状況は、当初の想定と異なる場合もあります。当初の計画を見直さずに実行すると、必要な修繕が実施できない、修繕積立金が不足するといった事態になる可能性があります。したがって、おおよそ5年ごとに建物診断を実施して、診断結果に基づき、長期修繕計画の内容を見直すことが推奨されています。
建物調査診断の項目
建物診断の検査項目は建物の規模や構造
建物に付随する設備の種類などによって異なります。
●屋上・防水
・防水保護材の劣化
・防水層の劣化
・シーリング材の劣化
・漏水
●外壁(躯体)
・コンクリート亀裂・欠損
・鉄筋露出・発錆
●外壁(塗装・タイル)
汚損・剥離・材質劣化
仕上材付着強度
シーリング物性変化
●ドア・手摺等 鉄部
汚損・剥離・材質劣化
錆・腐食
●共用部分
汚損・剥離・材質劣化
仕上材付着強度
●外構
15.地盤沈下
16.その他
・目視・打診調査
目視・打診調査では、調査員が現地を訪れ、外壁や廊下、屋上などの共用部分を中心に劣化や故障の状態を調査します。ひび割れなどの発生状況を目視で確認するだけでなく、打診棒と呼ばれる器具を使って壁面を叩いて調査します。
調査診断報告書
建物調査診断の内容は「調査診断報告書」に記載します。
建物各部の劣化状況など、診断の結果は報告書として書類にまとめられます。
報告書には、修繕や改修が必要かどうかの判断や、改修の実施時期と方法、実施範囲なども記載されます。そうしたことから長期修繕計画の作成・見直しや大規模修繕工事の内容の検討材料に役立てることができるのです。
本当に修繕工事は必要かどうかを判定する材料になるほか、コストや工事の規模、工期などを決める上で重要な建物調査診断。この調査は大規模修繕計画を実行していくうえで非常に有効な方法なのでぜひ参考にしてみてください